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公園デビュー花盛り

        そこのけそこのけ「お犬様」の御通りじゃ・・・・・

 日曜日の昼下がり、最寄の公園に立ち寄り休憩しようとして、散歩がてらに公園内をゆっく

 り歩いていると、一匹のチワワ犬が私の足にまとわりついてきた。

 私も戌年生まれゆえ、決して犬が嫌いなわけではない。しかし、PCでの仕事に疲れていた

 ので無視。

 ふと後ろを振り返ると一匹だったはずのチワワ犬がスピッツや身体の大きな秋田犬などを

 従えながら、五匹も私の後からついて来る。

 立ち止まった瞬間、犬に囲まれたと思ったらそれぞれの犬が思い思いの私の身体に鼻を

 摺り寄せて、クンクンと啼く。やがて、チワワは、飛び跳ねながら私の顔にキッスいやナメ

 回し。そこにチワワの飼い主叔母さんが登場して・・・・・・

 「あらあら、ごめんなさい。でも、犬に持てるって、いいことなのよ。例え人に振り向かれなく

 ても・・・・・・ね。花子、花子、おじ様に遊んでもらえてよかったね。」

 私は、ついに公園デビューしたのだろうか。言葉が出なかった。そして持ち主の顔を見ると

 チワワなみの顔をしている。

 そこに身体の黒いブルドッグがチワワに近づき「コンチワワ」てな具合に近寄る。

 チワワは、自分の身体の五倍ほどもあるブルドッグの喉下めがけて吼えながら飛び込ん

 だ。戦うと思ったブルドッグ君が逃げた。

 そこに花柄模様のチョッキを纏ったゴールデンなんとやらと言う種類の白いふさふさの毛

 に包まれたお犬様の登場。

 しかし、この犬も私のそばにまっしぐらにやってきた。チワワ嬢犬は、またまた、私の周り

 をぐるぐると回る。私は、目が回る。

 数えること八匹もの犬が私の周りに寄ってきた。それぞれ飼い主は、私を遠う巻きにしなが

 らそれぞれの犬の様子を見ている。

 「旦那さん、ほんとに犬におもてになってらしゃること。みんなこんなに喜んでいるわ」

 犬の持ち主の一人であるエプロン姿の年の頃四十歳程の主婦がそう語った。

 そばにいた他の主婦たちも「本当にこんなに持てる旦那さん珍しいわね」

 去るに去れずにいるところに、ブルドックの飼い主の旦那も近づいてきて、

 「何しろ、この時期、メスもオスも発情期だからね!」(あたしゃまるで犬なみかい?)

 私の身体から発散するフェロモンが発情期の犬たちをその気にさせたとしたら、大変な

 ことだ。とそう思いながらやっと公園から一般道路に出た。

 足が道路に吸い付く。吸盤のついた靴の様だ。振り返ると私の歩いた後に茶色い足跡が

 付いている。

 どうやら私の靴は、犬の糞を踏んでいたのだ。ふんこつさいしん気を付けていたのに・・・。

 ひょっとしたら、その糞を出した犬が持てる犬だったのかも知れない・・・・・・。

 それにしても相当な匂いが私の身の回りで漂っていたのだろう。犬の嗅覚は、人間の千倍

 と言われているくらいだから・・・・よく犬は鼻が曲がらなかったものだと感心する。

 まさか八匹とも「蓄膿症犬」の訳もないし・・・・・。

 「人に持てなくてもせめて犬八匹が振り向いてくれたので良しとしよう。」そう自分に言い聞

 かせながら、この薀蓄(うんちく)ある経験を抱き、事務所に戻った。

 何故か心に浮かぶ「北上川夜曲」・・・・。

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by warau_1 | 2005-08-02 05:24 | 笑う門には福が来る