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どこまでも愛する心

        こんなことも、あんな事も・・・・・

  「袖すり合うも何かの縁」と人と人の出会いを象徴することわざがある。

類似の言葉に「一期一会」などとの言葉もある。むせび泣く少女を見過ごす

こともできず声かけりゃ「お金がなくて帰れない」と言う。

  どこまで帰るか聞き及び、電車賃をそっと握らせ背を向けりゃ、彼女が

そっとこちらの袖つかみ「見ず知らずの人に親切にしてもらわないように」と

親の教えがあるのでもらえないという。

 それならと駅まで行って切符買い、切符を手渡しゃ、にっこりと笑顔を見せる

少女の姿、涙流して手をふりながら、改札入らず戻り来て、こちらをぐっと

抱きしめて

少女「おじさん、お礼にいいもの上げるね。」

こちら「何をくれるのかな」

少女「日が暮れる!」

こちら「こら、からかっているね!」

少女「本当は、違うの!」

こちら「本当は、何?」

少女「ねえ、おじさん、のどが渇いていない?」

こちら「うん、少しね」

少女「おじさん、これなめて、のどの渇きがなくなるよ。」

  少女は、自分の涙を指差してそうつぶやいた。

こちら「いいんだ、おじさんは、自動発売機でジュースでも買って飲むよ」

少女「こちらも児童感涙機よ」

こちら「なるほどね。いくらだね!」

少女「もう、切符代もらったからいらないの・・・・・」

こちら「そういわれてもね・・・・・じゃ!」

ほほにかかった涙の一粒にそっと唇を寄せると涙の味がこちらの口内に

広がった。

こちら「ありがとう、とてもおいしいジュースを・・・・・」

  少女は、ニッと笑みを浮かべながら改札口に走っていった。

by warau_1 | 2007-01-15 00:17 | 恋人とエピソード