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歳重ね、悲哀訪れ「何も言えず!」

 歳の嵩むを止められぬ

 人の命は、儚くて歳を重ねりゃ見えてくるあちらの世界の色々が、語りかけるも相手も

無しに一人呟きゃ切ない限り、道路で呟きゃ「季節の変わり目だからね!」と白い目・赤い目

で蔑まれ、駄目になる。

太郎「ようよう、健二、久ぶりだね。」

健二「なに、お宅、どなた?」

太郎「やだな、おれだよ、おれ!」

健二「おれじゃ、解らないのですがね。」

太郎「やだね、中学時代の旧友を忘れるなんて、太郎だよ!」

健二「えっ、うそ、太郎ちゃんなの!いつからそんな化け物に・・・!」

太郎「おいおい、人聞き悪いよ。化け物なんて・・・・!」

健二「だって、これを化け物と言わず何と言えと言うのさ。人間には歯があるでしょ。」

太郎「そ、そりゃそうさ。今は、工事中なんだよ。」

健二「工事中か治療中かしらないが、ひでえよ。こちら向いてごらん!」

太郎「こんな感じかな・・・・!」

健二「やはりね。その口は、うわばみトンネルだね。」

太郎「なんだよ。そのうわばみトンネルって。」

健二「いや、そのトンネルには、新幹線もやがて通るぜ。」

太郎「よせよ、そんな・・・。」

健二「だって、さっきから太郎ちゃん話す度に口の中で金魚の様に入れ

   歯も泳いでるよ!」

太郎「そうかな、入れ歯に泳ぎ教えた覚えはないけれどな。」

健二「口の中での泳ぎなんか入れ歯なら教えなくても覚えてしまうものさ。」

太郎「どんな泳ぎ方しているの!」

健二「そうね。名づけて『かたかた泳ぎ』かな・・・・・」

太郎「クロールとかバタフライ、平泳ぎなら解るがそれって何?」

健二「まあ、知らないのも無理ないよな。今、僕が命名したばかりだからね。」

太郎「だから、なぜ、かたかた泳ぎなのさ」

健二「太郎ちゃんが話す度に入れ歯がカタカタ音を立てているからさ。」

太郎「そうだったのか。先日、入れ歯を取って鏡を覗いたら口の中に黒の洞窟が」

健二「そうなんだよ、さしづめ、男、女郎のお歯黒と言うところかもね。」

太郎「そらないよ。」

健二「昔から、事実は小説よりも奇なりと言うでしょ。」

太郎「いくら何でも男、女郎のお歯黒とは、なさけないね。今から女形になろうかな」

健二「おいおい、止めてくれよな。」

太郎「あら、何よ、あんさんが言ったからじゃござんせんか、オホホホホ!」

健二「た、太郎ちゃん、なんか背中がむずがゆくなってきたよ。」

太郎「あら、そんな連れないそぶりをしないで、もうしばらくおつきあいしてな」

健二「おいおい気味が悪くなってきたよ。」

太郎「まあ、失礼な、ねえ、健二さん、ここ触って見る?」

健二「ぎゃーもう帰るよ。」

太郎「もう、健ちゃんたら、握ったものは、放さないからね・・・・・!」

健二「助けて~!」

by warau_1 | 2012-08-11 11:53 | お笑いだよ人生