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なんてかんてんトコロ天

        あん時ゃ土砂降り雨のー中

  女心と秋の空、諦め切れぬ湯上りに、脱いだ姿がガリガリで、これじゃ

  女性も、近寄る由もなし。

  「太とらにゃならぬ、勝つまでは」、食べたくないのに無理して食べて、

  挙句の果てに腹壊し、トイレに通うも二度三度。やっと治った腹抱え、

  書店に立ち寄りゃ、物の本。
  
  女性にモテルためならば、エステに通いすべすべのお肌をケアすりゃ、

  見違える。

  その気になって通いつめ、つるつる肌の男性に化けたはいいが、頭まで

  ツルツルにしたよぎっちょんちょん。

  それでも足りぬと頑張って、道行く女性が振り向いて、じっと見詰める

  ほど「水も滴るいい男になりたい」と思えばやること尽きやせぬ。

  太り薬の効果もありて、太り加減になったのに、鏡に映る姿は、女性に

  好かれるどころか「オカマ」さえ眉をひそめそう、友に言われて、

  なんてかんてんトコロ天。

  「次にどこを治せば、私を振った佳代ちゃんがこちら向いてくれるやら」

  友に訊ねりゃいう事にゃ、

  「せめて、鼻がもう少し高くできてりゃ豚より益しだ。」

  それなら整形やるしかない。どうせ化けるなら最後まで、思い余った恋心。

  どこまでやったら佳代ちゃん戻るのと、聞きたくても、聴くに聞けない切なさよ。

  頭ツルツル、肌つるり、小太りしたが、まだ足りぬ逞しさ。

  それならスポーツクラブのアスレチック、毎晩通って通って磨き上げ、

  仕上げた身体はマッチョマン。

  仕上げて友に問うたなら「着る物一つで見方が変わり心も変わるもの」だとか。

  言われてみれば、着る物に気配りせずに来たけれど、何をどうすりゃいいのやら。

  振られ振られて四十年、佳代ちゃん一筋求めたものを、仕上げた時には、他人妻。

  「せめてこちらを向かせたい」切ない男の浪花節。

  思えば、別れの一本杉、あん時ゃ土砂降り雨の中、濡れて流れて沁み込んだ

  雨の冷たさ情けなさ、いっそこのまま旅に出て、「希望」という名のあなたを求め、

  地の果てまでもどこまでも。

  思い悩んだその挙句、辿り着きたる結論が、ツルツルツルリン・マッチョマン。

                   もてない男の二十五時より  

by warau_1 | 2005-08-04 17:01 | お笑いだよ人生