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   生放送テレビ番組/裏舞台でのハプニング

             「局」 騒 動 の 勘 違 い  

  テレビ番組制作スタッフ経験があることは、それなりにテレビ制作関係に人脈がある
  
  ことをも意味している。それを知ったプロダクションマネージャー氏、私との出会いを

  喜んだ。そのマネージャー氏は、かつて、レコード歌謡大賞受賞者のマネージャー

  経験もある。とある日、マネージャー氏(以下M氏と称する)に呼び出された私。

  私   「いや、○○さん、ご無沙汰です。」

  M氏  「いや、あれ以来だね。元気だったの?」

  実は、たった一度か二度、テレビ局の番組収録スタジオで逢っただけの彼だった。

  私   「で、先日、電話でおっしゃっておられた『相談』ってどんなことなの?」

  M氏  「実は、今担当している歌手のことなんだけれど、何とか番組にと・・・」

  私   「そうか、番組にその歌手を出演させて欲しいということね。」

  M氏  「で、間もなくここ渋谷に、その彼女が来る様に言ってあるので逢って欲しい。」

  私   「うん、いいけれど、絶対、テレビ番組に出演できる約束できないけどいいの」

  M氏  「そりゃ、やるだけやってでられなければ仕方ないけれど・・・・・」

  私   「わかったよ。とにかく本人と会わなきゃ、何とも言えないな」

  彼は、当時、スタッフルームで番組宛てに持ち込まれる新人歌手のレコードのチェック
  を私が担当ディレクターから頼まれて一日二十枚から五十枚程度を消化していた事を
  知っていた。間もなく、歌手の彼女が到着。
   
  M氏  「彼女が新人歌手の○○△です。よろしくお願いします。」

  歌手  「まだ、未熟ですがよろしくお願いします。」

  彼女は、音大卒業のキャリアの持ち主。M氏曰く唄の実力は、破格と言う。

  私   「そうだな、彼女、綺麗な声しているし、まじめそうだし、ちょっと考えて見る」

  当日、間もなく別れたが、一抹の不安(番組に出せないかも・・・)を抱いていた。
  理由は、彼女に色気が殆ど無かった。まるで学校の音楽の先生という感じ。
  しかし、ある企画を考え上げて、再び3人で逢った。
  
  私   「こんな企画では、どうかしら・・・・・」と企画内容を説明。双方とも賛同。

  私達は、早速、準備に掛かった。

  その準備内容は、留守番電話に彼女の肉声で挨拶とデビュー曲のワン・コーラス
  を収録することだった。当時、電話局では、サービスとしての歌謡曲のコンテンツ
  サービスが無かった。
  私は、番組担当ディレクターに企画内容を説明し、取り上げてもらうことに成功。
  綿密な打ち合わせを済ませておいた。

  本番当日、司会者が説明し、画面にロールテロップで電話番号が案内された。
  よせば良いのに、シンプルで覚え易い語呂を電話番号につけて画面に出した。

  途端に全国から電話が殺到した。するとテレビ局制作局長が、青い顔して担当の
  ディレクターのところにすっ飛んできて

  局長 「おい、今、本番で紹介した電話番号に電話入れない様に司会者に言わせろ!」

  担当者「せっかく紹介したばかりなのに、電話かけるなと言えるはず無いですよ。」

  局長 「いいから、電話しないように言ってくれ!局のトランスがパンクするんだ。」

  担当者「なーに、テレビ局の電話トランスが飛ぶくらい、大した事ないよ。」

  番組は、着々と進行し、その間にも全国から電話が・・・・・

  局長 「馬鹿言ってるな、テレビ局のトランスでなく電話局のトランスがパンクだ!」

  担当者「そ、それは、まずい。!まずいよ!おーいFD(フロア・ディレクターの事)さん、
  司会者に電話は、しばらく掛けないように、言わせてくれ!電話局のトランスがパンク
  しちゃうから。」

  その日から約1ヶ月、朝昼晩ベルが鳴り止むことがなかったそうな。何しろ番組で
  紹介した直後、一斉に全国から約30万通もの電話が一つの番号めがけてアクセス
  されたのだった。

  これが本当の「きょく論」かもしれない・・・・・・・・・! 
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by warau_1 | 2005-08-27 05:30 | 小話アラカルト