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・・・・夜明けのスキャット・・・・・

         ラ ブ レ タ ー の 奇 跡

  秋せまりなば思い出す「女心と秋の空」。いにしえに心取られし我が恋は、はかなく

  散りし物語。思えば心切なくて秋の夜長に眠れもせずに、便箋取り出し、心の想いの

  丈をしたためて、翌朝、見直し、腰抜かし「二度と恋文書くまい」と心に深く誓いに候。

  <ラブレター>

   我が人生の憧れ、君なりき・・・・ケメ子 様 へ
 
   秋には、紅葉し、連なりそびゆる山々も秋空向かいて、何思う。

   この秋風が私の胸にもたらした古き時代の想いの欠片、蘇りし君に手を差し伸べて、

   秋風の中で頬寄せ語る一時を夢見て待ち侘び四十年。

   今じゃ、互いに上下左右白髪に包まれしままの身を抱え新たな希望を模索する。

   歌の文句じゃないけれど、若かりしあの時代、もう少し心が強ければ、君を放しは

   しなかった。「公開割きに立たず」(一括変換)というけれど、何のことやら判りゃせぬ。

   人それぞれに長短あれど、さしつさされつ飲み交わす味を確かめ心に染みる

   あなたの味を焼き付けて、その一時が初めで最後と知りながら、抱いた妄想限りなく

   止め処も知らぬ逢う阪の関。

   せめて命の限り大切に思いを胸に抱きつつ過ごす幸せかみ締めて、一人電車で

   薄笑い。「笑う門には、福が来る」と言うけれど、何が福だか謎だらけ。

   確かな事はただ一つ、「今もケメ子を想う心が生きている」

   これじゃケメ子を求める心のストーカー。心はいつも彼女にストリッパー。

   望む幻、浮かべつつ、ケメ子のタンゴ聞きながらあの世のお迎え来たりとも

   「この世でせめて彼女を胸に抱いて過ごす時間まで、そちらにゃ行きたくありゃせぬ」

   と告げてお迎え追い払う。

   「生きてて良かった」と悲鳴をあげたい、上げさせたいけれど、相手がここに居

   なければ叫ぶ声すら届きゃせぬ。せめてケメ子の重がゆ飲みながら、朝昼晩の

   一時を、心癒したいもの。と願いを込めてしたためた心をあなたに届けたい。

 こんなレターを書き記し、何度も何度も読み直し、気づいた時には夜が明けた。

 残るは、奇跡を待つだけと心に語り、そっと手紙を屑ばこへ投函した時、ベルが鳴り

 携帯開けばメールの着信音。

  よくよく見れば、しわくちゃいい男、画面に映って笑ってる。誰が送信したのかと

 どきどきしながらクリックすれば、そこにはケメ子の写真が映ってる。

  夜明けが奇跡を招いたか・・・これぞ本当の「夜明けのスキャット」なり。   

by warau_1 | 2005-09-03 05:44 | 笑う門には福が来る