彼女来宅に、男は弱い !

     食事を作ってくれる彼女の後姿にほのぼのと・・・!

 万が一、恋に焦がれた彼女が、自宅に来て食事を作ってくれるなんて、実

 現したら男性誰しもきんちょうーる。はてまた、どうすりゃいいのかわから

 ない。彼女も手持ち無沙汰のまま居られずに「食事の用意しましょうね」

 言葉を漏らすもおぼつかない。

 勝手判らぬ台所、流しをいじればゴキブリ、ナメクジ出て来て「こんにち

 わ、嬢ちゃん一緒に遊びましょ。」ほのぼのムードの邪魔をする。

 彼 氏 「今日は、少し蒸すので、窓を開けるよ。」

 彼 女 「窓を開ければ、近所の人にあらぬ噂をばら撒かれないかしら?」

 彼 氏 「僕達、健康的なお付き合いだから、大丈夫だよ。」

 彼 女 「もしも、『来宅女性は、どんな方?』と訊かれたら何て答えるの?」

 彼 氏 「それは・・・将来に期待する女性!と答えるよ。」

 彼 女 「まっ、嬉しい!じゃ、特別に夕食をお料理して差し上げるわ!」

 彼 氏 「えっ、本当?材料が・・・なーいんだけどな!」

 彼 女 「いいのよ、そんな事だろうと思って、ちゃんと持ってきたわよ!」

 彼 氏 「うわー!すごーい。」

 彼 女 「今日は、私の十八番の御料理でパスタとトーストピザを作るわね。」

 彼 氏 「じゃ、何か手伝おうか!」

 彼 女 「いいのよ、テレビでも見ていてくれればね。何しろ男性のために

      お料理するのって私,初めての事なのよね。味がお口に合わな

      かったら御免なさい!」

 彼 氏 「とんでもない、あなたが作ってくれたお料理ならもう何でも・・はい。」

 彼 女 「あら、前に聞いた時に、にんにくとたまねぎが嫌いだったのよね。」

 彼 氏 「いえ、あの・・・・はあ!」

 彼 女 「大丈夫よ、ちゃんとあなたの嫌いなものと好きなものは、これまで

      のお話しで覚えていますからね。」

 彼 氏 「すっ凄いなぁ・・・・」

  彼女は流しで、料理を開始、彼は手持ち無沙汰を紛らわしながらタバコを吸

  いつつテレビのニュースを見ている。やがて・・・・・、

 彼 女 「あのー、私ね、パンを購入するの忘れてしまったみたいなの」

 彼 氏 「ああ、パンならあるよ。」と立ち上がり戸棚から三斤分のパンを出した。

 彼 女 「あら、お一人でこんなにお食べになるの!」

 彼 氏 「いや、いつもの店で、いつも買うので店員さんが届けてくれるんだ。」

 彼 女 「でも、これを朝昼晩に頂くならそんなに日にち経たないけど・・・」

 彼 氏 「うん、悪くなっていないから安心して、お料理に使ってね。」

 彼 女 「ええ、分かったわ。でも、大変よね、男性が一人、お仕事と食事

     やるの」

 彼 氏 「そりゃ、そうだけれど。こればっかりは、一人もがいてもどうにもなら

     ないし!」

 彼 女 「今度から、私に声かけてくれれば、時間のある時に作って差し上げ

     るわ。」

 彼 氏 「嬉しいな。一人で食べる夕食って、何となく侘しくなることもある

     からね」

   お料理は、着々と仕上がり、テーブルに並べられたお皿には、彼女なら

   ではのメニューがずらりとならんだ。オードブル・パスタ、サラダ、

   トーストピザ加えて果物。

 彼 女 「さあ、出来上がったわよ!一緒に頂きましょう!」

 彼 氏 「いやー、ゴージャスな晩餐だな、何年振りだろう!頂きまーす。」

 彼 女 「ところで、こだわるようだけれど、あれだけのパンをお一人で毎回

      食べきれる?」

 彼 氏 「うん、大丈夫、昔は、一週間も残ってお腹を壊したことがあるけれ

      どね」

 彼 女 「そうよね、一人だけで食べきれるまで、日にちが経つと腐ったり

      するでしょ。」

 彼 氏 「そこで、パン屋と話しして、一日おきに新しいパンを届けてもらい、

      残りは、持っていってもらうことにしてあるんだよ。すなわち、これを

     『三斤交代』と言っている訳さ。」

 彼 女 「はあ、参勤交代?・・・・・うふふふふ」

   こうして、楽しい晩餐は、あっという間に時間が過ぎ、後は読者のご想像で・・。

by warau_1 | 2005-09-09 06:37 | 恋人とエピソード