何はなくても「心」だよ!

歩行者天国一度はおいで、銀座はにぎやか、姉ちゃんは
綺麗だピーポッポー。人の噂も七十五日と言うけれど、消えぬ
噂もぱらぱらと天より降りたる雨のごとし。
心に決めた愛しき女(ひと)を心に浮かべて歩行者天国。
歩いて見た。あっちもこっちもカップルだらけ。路上椅子に
テントの下で家族揃った団欒あり。
一人で歩くにゃもったいないと歩道行く美人女性の直ぐ右
を歩調合せ歩いてみると、まるで恋人同士が歩くかのごとし。
彼女は、無意識の世界でただひたすら歩くだけ。いい気に
なって数分間、共に歩いてみたけれど、心が満わけもなく、
彼女の傍に近寄ってさらに数分歩いてみた。
そんなこととは、いざ知らず、反対側通路を知人が通過。
手を振りニタニタ腰振って、小指を立てて囃子立てている。
地元に戻ったそのときにゃ、既に噂が広まり大騒ぎ。
隣人 「ねね、銀座の歩行者天国での彼女とのお散歩良
かったね。」
私 「いえ、彼女となんて歩いていませんよ。」
隣人 「そんな嘘は、通用しないのよ。」
私 「私には、命がけで恋する女性はいますがね・・・」
隣人 「隠さなくてもいいのよ。恋愛の自由は、あるからね。」
私 「いえ、本当ですよ。でも、その恋人は、遥か彼方の空
の下にいますので・・・・。」
隣人 「ほれ御覧なさい。すぐばれる様な嘘をつかないの!」
私 「ひょっとして銀さんからその話しを聞いたのでしょ。」
隣人 「銀さんだけじゃなく赤さん、白さん、黄さんも見たよと」
私 「たとえば、私が恋人と歩行者天国歩いていたら」
隣人 「それは、大変なことよ。その年で恋人と歩行者
天国って感動ものよね。家の旦那など『浮気して
も良いよ』と言ってあげてるのに『若く美しい女性
が寄ってこない』と浮気一つできないろくでなしな
の。『何が若く美しい女性』よ、私だって昔はもて
たのだから・・あなたに見て欲しかったわ。
今度、若かりし私の写真を見せてあげるね。」
私 「はあ・・・・!」
隣人 「年は、六十五歳でも心は、二十歳そこそこなん
だから」
私 「そうなんですか・・・・・」
隣人 「やーね、気のない。ね、ね、私、まだいけるわ
よね。」
私 「どこへ行くの?」
隣人 「もう、しらないから・・・・」
と、孫が三人もいる隣人女性は大きな尻を振り振り立ち
去った。永遠なる美貌よ万歳!永遠なる若さに乾杯!
永遠の恋人に心を捧げてばんざい(お手上げ)!
by warau_1 | 2006-01-31 17:58 | お笑いだよ人生