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      あれよあれよと言う間に

      これほどのドミノとは!

  「腹が減ったらおまんま食べて、寿命つきればあの世行き」と

「ありがたや節」の歌詞にもあるけれど、寝たきり生活、貧乏生活

様々ありて、床ずれ、股ずれ、糞ずれ、時間ずれ日常茶飯の生活

は、若者・ばか者・くせ者に限ったことではありゃしない。

 人知を超えた神様が与えてくれしこの寿命。

 世のため、人のため自分のため、金のため様々なれど、旅立つ時

には、白装束と花束・花びらかぶり箱入り旅立ちするばかり。

 天下に名前を響かせた人でも、ひっそり暮らして過ごした人も

旅立つ姿に変わりなし。

 てなてな屁理屈こねながら、部屋も出口も洗濯物も片付けるでも

なく、ただひたすらに、生活時間を過ごす人もある。

 山挫 「おい、久し振りだな。」日曜日の夕方の出来事。

 久楼 「いやほ。懐かしいな!あれからどうしていたの?」

 と立った途端に上から鍋が転がり落ちて、その弾みで敷き詰められ

たごみの山が崩れ挙句の果てに訪問者の足元にコップがころがった。

 訪問者が敷居をまたぐと、ねずみが一匹横切った。

そして、ごみの山に埋まっても座っている久楼の足元に、余震でごみ

の束が転がり込んだ。

 ごみはごみでも、ティッシュペーパーの使い捨て、カップラーメンの

入れ物、新聞・雑誌の切れ端、着たものの脱ぎっぱなし、ハンケチと

汚れた座布団、割り箸の端切れ、雑記の紙類、ごみに埋もれた食器

皿などなど。

 山挫 「いやね、あっちこっちでバイト三昧で、今もフリーター」

 久楼 「そうか、僕も同じフリーター」

 山挫 「それにしても、君の部屋は綺麗だね。」

 久楼 「おい、そんな嫌味を言うなよ。まだ、床上二十センチの

     ごみしかたまっていないよ。」

 山挫 「二十センチならまあ許すか。俺の部屋は、三十センチ。

     でもどこに何があるのかわかるよ。」

 久楼 「そりゃ、僕だってわかるさ。」

 山挫 「そりゃ、そうだろ。俺より浅いものな」

 久楼 「ところで、何か僕に話しがあったのじゃないの?」

 山挫 「そうそう、そうなんだよ。相談があってな!」

 久楼 「で、その相談の内容はなに?」

 山挫 「ところで、凄いこの臭いは、にんにく?」

 久楼 「うん、先ほどガーリックマーガリンでトースト食べたからね」

 山挫 「そうか。で、相談とは、家賃滞納でアパートでなきゃ

     ならないので、ここに同居させて欲しいのだよ。」

 久楼 「どのくらいの期間?」

 山挫 「そうだな、一週間くらい。次のアパート見つけるまで・・・」

 久楼 「うーん、二人でこの四畳半の部屋。ごみも倍増しそうだな」

 山挫 「まっ、二人で片付ければ、すぐ綺麗になるよ。」

 久楼 「そればかりは、だめだろうな!」

 山挫 「どうしてよ。」

 久楼 「だって、考えてもみろよ。二人揃えば『さんざくろう』するよ。」

 山挫 「えっ?何それ?」

 久楼 「二人の苗字を合わせればね・・・。」

 山挫 「それを言うなら『山座りて、久しく桜咲く』という事になるよ。」

 久楼 「うん、カビの桜でなければいいけれどね!」

 と二人連れ添い四百円を手にさくらパンを買いに出た。夜桜でも見る

ならわかるが・・・・一般論では計り知れない。

by warau_1 | 2006-03-28 21:27 | 片付けられない症候群