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  旅は道連れ、世は情け

           鳴いた烏が泣き止んで

  恋して、恋して、愛されて気づいた時には、捨てられて心ずたずた

傷だらけ。そんな相手を恨まず、それでも愛の火絶やさずひたすら慕う

切なさよ。

  行くも地獄、戻るも地獄ましてとどまりゃ、なお地獄。そんな世界に

たたずむ乙女。心の葛藤日々増して、仕事も何も手につかず打つ手

も無しか鬱まがい。

  せめて話しを聞くだけでひと時、ほぐれる地獄の沙汰も長く続く

わけも無し。

  より戻したる心の痛み誰もあがなう術もなし。「溺れる者、藁をも掴む」

というけれど、掴み所のないやるせなさ、どこに捨てれば良いのやら。

  迷う子羊痛々しくも見て見ぬ振りすりゃ寝つきが悪い。さりとて、手

を差し伸べれば、火傷しそうな物語。

  旅は道連れ世は情け、歌は世に連れ、世は歌に連れ、心変わりの

その日まで、じっと見つめて上げるだけ。

  カラオケ歌えば、ただ恋人思い、歌声わずかに涙声。聴く人心打たれ

もらい泣き、花のように鳥のように無心に過ごせるならば、心の痛みも

ありゃしない。また逢う日までと心を込めたつぐない歌えば、涙眼に

きらり光る水滴ひとつ。採点91点と破格レベルの歌唱力。聴く者の心

打たずにおくものか。これぞ「うつてなしの病」かな。

  この世に生まれ巡り会い、好いて好かれて行く道にゃ、幸せあると

思えども裸になれば全てが見える。見えて初めて心痛める事もある。

  苦痛抱えて生きてくよりもいっそう別れて生きて行ければそれも

一つの生き方と心で語れど先行き不安に勝てない家庭人。

  それでも清水の舞台より飛び降りる覚悟を決めて、事にあたれど

ものごとすべてうまく運ぶわけも無し。

  どうどうめぐりのその末にたどり着きたる結論が現状維持となりに

けり。ああ、人生己が変わらずんば、道も何も変わりゃせぬ。残るは、

地獄の慕情繰り返す。愛無き一人舞台の世知辛さ。

  せめて笑ってみよう「また逢える日まで」。恋は異なもの厄介なもの、

これの処方箋、薬局にゃござりませぬが、心にござる。心の中には、

いくつもの部屋がありて、恋人の部屋に密封するのがせめてもの手

立てなり。恋して届かぬ切なさに頭の白髪も増えにけり。

                        < 恋の綴り方日記より >


  

by warau_1 | 2006-05-08 23:30 | 恋人とエピソード