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独身貴族の手弁当

        匂い漂う・・・・・・あれれのれ!

 若さゆえ、手当たり次第にレシピを想定、明日の手作り弁当

考える。2DKの独身世帯、優雅に暮らすその中に潤いもたらす

ひと時が静に流れて夜が更ける。

 朝もはよから弁当カバンに詰めて、昼時来るのが待ち遠しい。

 花子「山本君、何か妙な匂いしないかしら」

 事務所で向い側の席に座る熊本花子姉先輩。

 健一「はい、何やら匂いますね。」

 花子「これって、お味噌の匂いと何かが混ざった妙な匂いね」

 健一「誰かおなら出したのかな!」

 花子「そんな匂いじゃないわよ。」

 健一「食事の時間が近いから、近くのレストランからの匂いかな」

 花子「でもね。何となく近くから匂うのよね。」

 健一「先輩、妙な目で見ないで下さいよ。私、おならしてないっす。」

 花子「だから、おならじゃないと言っているでしょ。」

 健一「はい、分かっています。でも、その目つきは・・・・・」

 花子「やはり、匂いの発生源は、山本君よ。」

 健一「そりゃ、ないですよ。先輩!」

 花子「いいから、今から食事にしましょうよね。みんないないから」

 健一「はい、わかりました。」

 花子「今日は、どんなお弁当なの?」

 健一「あのー、名前がないんですよ。」

 花子「いいから見せて御覧なさいよ。」

 健一、静に手作り弁当を開くや否や花子の声が事務所内に

 花子「な、なんなのこれ!かぼちゃ、ナスにおから、味噌ダレ!」

 健一「はあ、作った時には、こんなに味噌が浮かんでなかったっす」

 花子「で、何よこの匂い。エーッ!ニンニクとゴマ入れたの!」

 健一「はい、ごまかしました。」

 花子「やだ、『田楽かぼちゃナス』というところね!」

 健一「そんな名前のお料理あるのですか?」

 花子「何も分からないんだから・・・あるわけないじゃないのさ」

 健一「何しろ、食べたいもの全部混ぜたのですよ。」

 花子「じゃ、少し味見させてくれる?」

 健一「どうぞ、たっぷり」

 花子が箸で健一の弁当のおかずを摘み一口食べるや否や

 花子「ウッ、これは、生まれて初めて口にする味だわ」

 健一「先輩、美味しいでしょう!」

 花子「お料理上手だと思っていたけど味噌つけたね。」

 健一「そうですか、にんにくでゴマかしたけれどなぁ!」

 花子「さっきの匂いの発生源は、やはりあなたよ!」

 健一「先輩の鼻は、凄いですね」

 花子「そりゃそうよ、私の鼻の穴は、伊達に大きく前向いてる

    訳じゃないんだからね」
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by warau_1 | 2006-07-28 02:13 | 小話アラカルト