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笑えない笑いネタが笑いに

 世の中に、笑えぬ笑いがチラホラと

  悲しきことのみ多かりき、この世の営みに日々過ぎ行く涙の物語。中国地震も最たる

話。それでもつつましき日常生活に次から次に現れるこっけいこっけいコケっこの話も

見過ごせぬ。

  後期高齢者同居の世帯にも笑いの渦が絶え間なし。家族は、涙交じりに笑いこけ

こけこっこ。どうしてそうなるのか家族は知りつつ言葉に出せず・・・・・・・・。

長女 「おばあちゃん、そろそろお休みの時間ですよ。」

祖母 「そうかい、明日は、お休みかい。では、一緒に散歩でもしよか」

長女 「分かったから、早く寝床に入って眠らないと」

祖母 「やだよ、わたしゃ、朝から晩まで寝てばかりいられませんよ。」

長女 「だって、もう夜の十時を過ぎましたよ。」

祖母 「いえね、私は、自由人だから、いつお休みしても誰にもしかられませんよ。」

長女 「兎に角、お願いだから、床に寝てください。」

祖母 「だれか、一緒に苗床をいじってくれるといいけれど、あたしゃ、床に眠れるわけないよ」

母親 「お母さん、もう、時間、ねんね。」

祖母 「そうかい、ねんねか。おら、この娘がこれから苗床いじれと言うていたと思うたよ」

母親 「さあさあ、早くしないと、お体に悪いわよ。」

祖母 「ところで、あんた、家の娘かね。いやにベッピンじゃないか」

母親 「いやね、お母さん。今になってそんなにほめられても」

祖母 「なに、私の生んだ子ならもう少し美人でも、せめて私くらいにね」

母親 「まあ、お母さんたら、言ったわね。」

祖母 「うんうん、怒った顔は、私の若いころの顔にそっくり。やっぱり私の子だね。」

母親 「わかりましたよ。さあ、もう夜も更けたし、ねましょうよ。」

祖母 「なになに、芋を蒸かしていたのかね。たべたいね。夕食してないからね」

母親 「あら、今食べ終わったばかりでしょ。」

祖母 「お腹が食べてないと言ってるよ。」

母親 「もう、もう・・・・」

祖母 「あらー、家にいつの間に住み着いたのかね。牛さんがいるみたいだよ。聞こえたでしょ」

母親 「えー?」

祖母 「だって、いまね、『もうもう』と聞こえたよ」

 ちほうで痴呆になりて、途方もなき家族の切なさに胸を痛めつも、叱るどころもありゃ

 しない。これぞ、笑えぬ笑いの世界がチーラ、チラ !

by warau_1 | 2008-05-15 01:27 | 笑いの哲学